ハイデラバード大会参加記(齋藤雅弘弁護士)

 
 

 第12回国際消費者法学会(International Conference on Consumer Law)が、2009年2月25日から27日まで、インドのハイデラバードにある「NALSAR University of Law」で開かれた。全体テーマは「Creating a Legal Infrastructure to Protect Consumers in a Global Economy」であり、グローバル経済の下での消費者紛争解決のための方策や消費者被害の回復、消費信用も含めたサービス提供事業者への規制やその責任などに関する研究報告がなされた。

 今回はNALSAR法科大学との共催だったため、従来と異なり、各国の消費者法の研究者だけでなく、この大学で学ぶ学生による研究報告も含まれていた。

 昨年11月27日に起きたムンバイでのテロ事件の影響もあってか、概ね100名程度と参加者はそれほど多くはなかった。また、直前にキャンセルされた方もあり、日本からは私1人の参加となった。


 学会での個別報告のテーマと報告内容の要約は、NALSAR法科大学の用意したウエッブサイト(http://nalsarconsumerconference.wordpress.com/category/sessions/)に掲載されているので、そちらを参照して頂けると有り難いが、昨年来の金融危機の消費者への影響を踏まえて、今後のあり方を論じたり、現状の分析をした報告が目立った。

 特に各国とも多重債務者の問題をどう解決するか、その場合、消費者信用(それを提供する事業者)の活動にどのような対応が必要なのか、積極的な規制をすべきなのか、そうではないのかなどをめぐる研究報告がなされた。

 私が参加した分科会の報告で驚いたのは、南アフリカでも消費者の収入の3分の1を超えて与信することを制限する法律(The South African National credit Act)が、2006年に制定されているとのことであった。日本の貸金業法の改正とほぼ同時期の立法であり、報告者の意見としては偶然の一致だろうとのことだったが、とても興味深かった。

 また、エコや社会貢献活動を強調する企業広告や宣伝について、かかる内容の広告等を分類、整理したうえ、消費者への適正な情報提供や選択の保障との関係で、EUのDirectiveの適用の限界と方向性を論じた報告も興味を惹かれた。


 なお、開催期間中、国際消費者法学会を日本で開催しないのかと度々質問され、返答に困った。近い将来、日本消費者法学会がその受け皿になって、日本でも国際消費者法学会を開催して頂ければと切に思う次第である。