ご挨拶

 
 

 日本消費者法学会は、2008年に設立された若い学会です。すでに1970年代から、法律雑誌の特集などに、消費者法への問題関心がみられましたが、その後の消費者をめぐる法と政策の動きの活発化に伴い、消費者法への注目が高まりました。消費者法学会が設立された2008年は、消費者行政一元化をめざして、消費者庁と消費者委員会が発足した年の前年です。この50年単位でみたとき、消費者法は、最も進展し、関心がもたれた法領域の一つといえるでしょう。


 消費者法学会では、これまで、「消費者法のアイデンティティ」(第1回)、「民法改正と消費者法」(第2回)、「集団的消費者被害救済制度の構築に向けて」(第3回)、「集団的消費者利益の実現と実体法の役割」(第4回)、「消費者撤回権をめぐる法と政策」(第5回)、「消費者契約法改正への論点整理」(第6回)、「制定20周年を迎える製造物責任法の現状と課題」(第7回)、「適合性原則と消費者法」(第8回)といったテーマを扱ってきました。これらのテーマの報告者やコメンテーターには、民法、行政法、民事訴訟法、商法、経済法、知的財産法などの各分野の研究者や、弁護士などの法律実務家のほか、立法を担当した行政官や、企業関係者も加わりました。消費者法学会にふさわしいテーマが、消費者法学会ならではの陣容で扱われたといえるでしょう。設立時には、約200名の会員が集まりましたが、2015年には、約350名の会員を擁する学会へと成長しています。


 日本消費者法学会は、関係者間の連携と協力の場として、消費者政策と消費者法の研究及びその実務への還元に努めるとともに、諸外国の消費者法の動向の迅速な把握、法の分野のみならず隣接諸科学の知見の摂取、国際消費者法学会や国内外の関係学会との協力関係の構築・維持などの課題に応えていく所存です。消費者問題に関心のあるみなさまのご支援・ご協力をお願い申し上げます。

 

                                  2016年4月

 

               日本消費者法学会理事長 

後藤巻則(早稲田大学大学院法務研究科教授)